2020.5.29
, EurekAlert より:
435,000人以上のゲノムワイド分析の結果、問題飲酒に関連する29の遺伝子変異が同定された、という米国イェール大学医学校などの研究が『ネイチャー神経科学』誌に掲載された。
「この新データは問題飲酒に関連する既知のリスク遺伝子座を3倍に増やした」と主任研究者のジョエル・ジェレンター教授は述べている。
本研究は、4つの独立したバイオバンクまたはデータセットから得た欧州人の祖先を持つ人々のゲノムワイド分析であり、研究チームは、問題飲酒の基準を満たす者に共通する遺伝子変異を探した。
分析の結果、問題飲酒に関連する19の以前には知られていなかった独立の遺伝的リスク因子が見つかった。また既に同定されていた10の遺伝子変異も確認された。
バイオバンクのデータのメタ分析は、いくつかの精神疾患の遺伝的リスク因子に関する情報も含んでいたことから、研究チームは、問題飲酒とうつや不安などの疾患との間の関連を調べた。
研究チームはまたこれら変異遺伝子の遺伝率が脳と進化的に保存された制御領域で多いことも発見した。メンデルランダム化と呼ばれる手法を用いて、研究チームはまたある遺伝的形質がもうひとつの遺伝的形質にどのように影響するかも検討した。
「これは、我々に、精神的状態としての問題飲酒、リスク行動、認知パフォーマンスの間の因果的関係を理解する道を与えてくれる」と筆頭研究者のハン・ゾウ准研究科学者は述べている。
「これらの結果を用いて、我々はまた個人の問題飲酒行動のレベルをよりよく評価できるだろう」とジェレンター教授はコメントしている。
出典は『ネイチャー神経科学』。 (論文要旨)
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