2020.5.29
, EurekAlert より:
ホップサプリメントは、寝汗やホットフラッシュのような閉経期症状の緩和に使われるが、薬物相互作用を起こす可能性は低いようだ。米国オレゴン州立大学の報告。
この知見は、ホルモン置換療法が依然として閉経期女性患者の標準治療として使われているが、すべての女性に適用できるわけではないために重要であるという。いくつかの研究で、ホルモン置換両方は乳がんや心血管系疾患のリスクを高めることが報告されており、代替療法に関心が寄せられている。
ホップはビールに苦味を与えるだけでなく、植物エストロゲンが含まれているので、更年期症状の緩和にも効果的ではないかといわれている。
「ホップ由来の化合物が、特的の薬物代謝酵素を阻害または不活性化する可能性が別の研究室の研究で報告されている」と筆頭研究者のリチャード・ファン・ブリーメン博士は語っている。「ホップに含まれるこの化合物はヒトでの半減期が長く、20時間以上あるため、さらに懸念が高まる。」
半減期が長いということは、長時間にわたってこの成分が血中に残存するということであり、処方薬を服用した場合にも影響する可能性があるということである。
研究チームは、16名の女性を対象に、4種類の薬物の代謝に及ぼすホップ化合物の影響を検証した。これら4種の薬物は別々のチトクロームP-450酵素によって代謝されることが知られている。
その結果、ホップ化合物は、いずれの薬物の代謝にも影響しないことが明らかになったという。
「さらなる研究が必要だが、今回の発見は、更年期障害の症状の緩和のためにホップサプリメントを摂取する女性にとって朗報となるだろう」と共同研究者のルイング・チェン博士はコメントしている。
出典は『農芸・食品化学雑誌』。 (論文要旨)
|