2020.5.28
, EurekAlert より: 
身体を大きく拡げるポーズを1分間とるだけで、短期的ではあるものの子どもの自信を高めることができるという。特に学校生活に対する自信は顕著に向上するようだ。独・マーティンルーサー大学が小学生を対象に行った研究から。
この研究では、簡単なポーズをとることで子どもたちが学校生活をよりよく感じるのに役立つというエビデンスが初めて示された。
身体のポーズ、たとえば腕を頭の後ろで組んで座り、テーブルに何気なく足を置いているときは、おそらくその人は非常に自信があることが示され、一方で、腕を体の前で折り曲げ、背中を丸めている場合は、不安であることが示される。
「ボディランゲージは感情を表現するだけではなく、人の気持ちを形成することもあるのです」と論文著者のケルナー氏は説明している。いわゆるパワーポージングの研究では特に、特定の身体の姿勢が人の感情や自尊心に影響を与える可能性について調査している。「パワーポージングは、力の非言語的表現です。非常に大胆なジェスチャーや体の姿勢の変化を伴います」
これまで、この類のほとんどの研究は成人への影響を中心に展開されてきており、今回の研究は子どもを対象とした最初のものだ。「子供は5歳くらいから、他人の姿勢を認識して解釈することができます」とケルナー氏は付け加えている。
今回の研究では、小学4年生108人を対象に実験を行った。対象者は2グループに分け、一方のグループは、身体を大きく広げる姿勢・2種類それぞれを1分間とった。具体的には@椅子に座って腕を頭の後ろで組み、背中を反らして脚を机の上に載せる、A両手を拡げて机の上に置き、脚を拡げて立つこととした。もう一方のグループは、前に腕を組んで頭を下にする姿勢をとった。
その後、心理テストを受けてもらったところ、身体を大きく拡げる姿勢をとっていた子どもたちは、そうでないグループに比べて気分が良く、高い自尊心を感じていることが分かった。学校生活に関する質問では、その影響が特に顕著だった。
「ここでは、パワーポージングが子どもの自尊心に最も強い影響を与えました」とケルナー氏は結論付けている。「教師の方々は、この方法が児童に役立つかどうかを試してみてもよいのではないでしょうか」と述べつつも、この手法に過大な期待を寄せるべきではないとしている。というのも、今回みられた良い影響は短期的なものであったため、深刻な問題や精神疾患を抱える児童に対しては訓練を受けた専門家が治療する必要があるとのことだ。
出典は『学校心理学国際』。 (論文要旨)
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