2020.5.25
, EurekAlert より:
幾つかの国々ではロックダウンが実施され、新型コロナウイルスから人命を救うことが長期的な健康問題への懸念よりも優先的な課題となっている。だが、専門家によれば、次のパンデミックに備えなければ、アルコール障害の高いツケを払わされることになるだろうという。
3月21日の週に、英国ではアルコール飲料の売り上げが67%増加したが、これはパブやレストランが休業したたためである、と英国アルコール健康アライアンス議長のイアン・ギルモア卿とアルコール障害コミッション議長のアイローラ・フィンレイ男爵夫人は述べている。この間、スーパーの売上増加は43%に留まった。
パンデミックが英国を襲う直前、アルコール健康アライアンスは、アルコール障害コミッションを立ち上げたところだった。これまでのエビデンスは、アルコール依存症と葛藤している、あるいは依存症の瀬戸際にいる人々には特に緊急のサポートが必要であることを示唆しているという。
ギルモアとフィンレイはまた、アルコールが家庭内暴力と強く関連しており、ロックダウンの初期には家庭内暴力保護団体への連絡が上昇したことを指摘している。アルコールと家庭内暴力の関係は複雑だ、と彼らは言う。研究では家庭内暴力の加害者の73%が暴行時に飲酒していたことが報告されている。
ギルモアとフィンレイは、パンデミックの終息後に、対処すべき問題が山積する中で、こうした声が届かないことを恐れている。
「我々が最も脆弱な立場の人々を適切に支援しなければ、COVID-19から回復した国であると主張することはできない」と彼らは主張している。
出典は『英国医学雑誌(BMJ)』。 (論文要旨)
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