2020.5.22
, EurekAlert より:
心血管疾患の発症リスクが高い人は、認知機能の低下、アルツハイマー病の典型的な指標の上昇がみられるようだ、という中国・天津医科大学からの研究報告。
研究チームは、ラッシュ記憶加齢プロジェクトの参加者1,588名を21年追跡調査した。参加者の平均年齢は79.5歳だった。研究開始時に、フラミンガム一般心血管リスクスコア(FGCRS)で評価し、心血管リスクに応じて低・中・高の3群に分けた。
毎年、19の検査を使用して、エピソード記憶、意味記憶、作業記憶、視空間認知、知覚速度を評価し、複合スコアを算出した。
研究終了時、研究チームは、心血管リスクが高いほど、エピソード記憶、作業記憶、知覚速度の低下が速いことを発見したという。また、患者の一部のMRIデータを調べたところ、FGCRSが高いほど、海馬、皮質灰白質、脳全体の容積が少ないことがわかったという。海馬と灰白質の減少はアルツハイマー型認知症関連の神経変性の典型的な指標である。MRIはまた、白質高信号という脳の機能低下につながる白点が増加することも示した。
「認知症の効果的な治療法はないので、患者の認知機能を維持するために、心血管リスクを監視および管理する必要がある」と主任研究者のウェイリ・ウー博士はコメントしている。
出典は『米国心臓学会誌』。 (論文要旨)
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