2020.5.22
, EurekAlert より:
フィットネスクラブや体育館が閉鎖されているCOVID-19パンデミックの今、多くの人がオンライン資源を活用しているが、身体活動に関するインターネットベースのガイドラインの多くが、世界保健機関(WHO)のそれとは一致しないようだ、という米国オレゴン州立大学からの研究報告。
研究チームは、行政府、商業サイト、専門家集団、自発的健康団体という4種類の組織からのフィットネスの推奨に関する72件のウェブ記事を分析し、米国政府による身体活動ガイドラインと比較した。
国のガイドラインは成人に1日を通じて「より多く動き、より少なく座れ」とアドバイスしている。「実質的な健康利益」のために、成人は150分から300分の中程度有酸素活動または75分の激しい有酸素運動を毎週何日かに分けて行うべきだとしている。追加の健康利益は、300分以上の運動によって達成することができる。ガイドラインはまた、成人がすべての筋肉を対象とした中から高強度の筋力トレーニングを週2日以上することを推奨している。
「中程度の有酸素運動というのは、たとえばきびきび歩き(ブリスクウォーキング)のようなものだ」とブラド・カージナル教授は言う。1時間に3-4マイル(5-6.5km)の快適に会話を続けられるペースである。
65歳以上の高齢者や障害のある成人にもほとんど成人と同じ推奨だが、完全にこなせない場合は、能力と条件に応じて出来る範囲ですべきだとされている。
分析の結果、研究チームは、専門家集団(国の認定を受けたヘルスケアプロバイダなど)が、もっとも正確な情報を共有していることを発見した。
4つのタイプの集団すべてにおいて、推奨は、有酸素運動で正しい場合が多く、レジスタンス運動では正しくないか完全ではないことが多かったという。
国のガイドラインは「心臓と肺」に焦点を当てているが、大部分のオンラインアドバイスは、「お腹とお尻」に焦点が当たっていた、とカージナル教授は語っている。その意味は、健康よりも見た目を良くすることに力が入れられているということである。
「オンラインの運動アドバイスは多くの人にとって理解に苦しむものであり、誰にとっても不完全だった」とカージナル教授はコメントしている。
出典は『トランスレーショナル米国スポーツ医学会雑誌』。 (論文要旨)
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