2020.5.22
, EurekAlert より:
栄養に関するメッセージの信頼性を評価するためにNutrimediaが用いている方法論を紹介するスペイン・ポンペウ・ファブラ大学の論文が『プロスワン』誌に発表された。
Nutrimediaプロジェクトは、ポンペウ・ファブラ大学コミュニケーション学部の科学コミュニケーション観測所(OCC)と、GRADEシステムのメディアのニュース・広告の栄養情報への拡張のパイオニアであるイベロアメリカコクランセンターが開発したものである。
開始後18カ月間の間、Nutrimediaプロジェクトは30件の栄養関連メッセージの信憑性を分析した。うち、21件は食品関連、6件は食事関連、3件は健康食品関連だった。それらを本当らしさの度合いに応じて、メッセージは7つのカテゴリに分類された:本当、たぶん本当、本当かもしれない、うそ、たぶんうそ、うそかもしれない、不確か(true, probably true, possibly true, false, probably false, possibly false, uncertain)。
ほぼ半分(14件)が「不確か」に分類された(チョコレートは心臓に良い、ニンニクを食べるとがんリスクが低下)。4件が「本当かもしれない」(肉には発がん性がある、白パンは全粒パンより太る)。
「食物と健康に関する質問への多くの答えは不確かであるか、確実性が低い。なぜなら、それらはほとんど研究されていないか、低品質の研究で扱われている質問だからだ」とNutrimediaのディレクターであるゴンザロ・カシノは言う。「Nutrimediaは、大衆になぜ科学の確実性にバラツキがある理由と、いかにメディアやソーシャルネットワークに批判的にメッセージを翻訳していくかを教えることを目的としている。」
Nutrimediaの最もユニークな仕様はその方法論である。「GRADEシステムは、研究成果の確実性の程度を決定するために多くの科学機関によって採用された方法だ。Nutrimediaで画期的なことは、この方法を適用して、一般に届く栄養メッセージの信憑性を評価していることだ」とNutrimediaとイベロアメリカコクランセンターの研究者でありスペインGRADEセンターの責任者であるパブロ・アロンゾは説明している。
「分析したメッセージの12件は大衆からの質問、9件は神話や一般的な信条、8件はニュースから、2件は広告からであることには注意しなければならない」と筆頭著者でNutrimediaの研究者であるモントセラット・ラバッサは説明する。
「最も関心の高い質問は、肉が発がん性であるかどうかだった。この問題を扱ったページは、Nutrimediaで最も訪問されたページの1つであり、Google Spainで『肉とがん』を検索した時にリストされる最初の2つまたは3つのうちの1つであった。」
検索エンジンでのこの存在は、Nutrimediaプロジェクトがメディアに与えたかなりの影響の証拠である。最初の18か月の間に、それは印刷物で84回、スペインおよび他の14か国のWebサイトで386回引用された。
「科学的厳密さとフレンドリーな表示形式の使用の組み合わせは、国民が栄養に関する情報に基づいた選択を行えるように開発された、このリソースの際立った特徴である」と著者らは述べている。
出典は『プロスワン』。 (論文要旨)
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