2020.5.15
, EurekAlert より:
二つのプリン体、カフェインと尿酸がパーキンソン病のリスク低下と関連しているかもしれない、という米国ハーバード大学からの研究報告。
研究チームは、369名の突発性パーキンソン病患者と197名の健常者を対象に、横断的症例対照研究を実施した。参加者は全員、ハーバード生体指標研究(HBS)コホートの参加者だった。
尿酸塩は、HBS研究の最初の訪問時に採血した血漿検体を用いて測定した。カフェイン摂取量は、やはり初回訪問時の準定量的調査票から計算された。
解析の結果、カフェインの摂取は、突発性パーキンソン病患者で低い傾向がみられたという。年齢、性別、BMI、血漿中尿酸塩濃度で調整後も、カフェインは脳ぞ依存的に、パーキンソン病の発症リスクの低下と有意に関連がみられた。最もカフェイン摂取量の少なかった人に比べて、最も多かった人は、パーキンソン病の発症リスクが70%以上低かったという。
同様の関連が、血漿中尿酸塩濃度とパーキンソン病の葉症リスクにもみられたという。この関連は男女ともに見られた。
研究チームは、尿酸値を高める最近の大規模臨床試験では、パーキンソン病患者に有効性が実証できなかったと警告している。つまり、今回の研究では、パーキンソン病と尿酸値の低下の関連性が示唆されているが、尿酸値を高める戦略は有害である可能性があり推奨できないという。
カフェインについては、長期の臨床試験がまだないため、同様にカフェイン摂取量を増やすことも推奨できないという。
出典は『パーキンソン病雑誌』。 (論文要旨)
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