2020.5.14
, EurekAlert より:
脳卒中生存者がポジティブな健康信条、特に脳卒中の再発を予防するという自覚、を持つことと、低めの血圧との間には関連が見られるようだ、という米国ニューヨーク大学からの研究報告。
研究チームは、ニューヨーク市の4病院に入院した552名の脳卒中患者を対象とした血管事象を減らすための退院教育戦略(DESERVE)研究というランダム化対照臨床試験のデータを解析した。
患者は退院に先立って、「私は私自身を脳卒中の再発から守ることができる」という信条に同意できるかどうかを尋ねられた。4分の3以上のの患者が同意した。
「この自覚はセルフエフィカシー(自己効力感)つまりある目標を達成できるという信条の反映である」と筆頭研究者のエミリー・ゴールドマン助教授は述べている。
研究チームは、患者の血圧を退院後1年にわたって追跡調査した。その結果、自分を脳卒中から守れると信じた者は、そうでなかった者に比べて、5.6mmHgの血圧低下が認められた。これは臨床的には意味のある低下であるという。
さらに、研究チームは、女性の脳卒中生存者で工程い的な健康信条を持つ患者は、1年後の血圧低下がより大きいことを発見した。ただしこれについては男女間で有意差はみられなかった。
「本研究で、我々はセルフエフィカシーと血圧低下の関連を発見した。これは先行研究における肯定的な心理状態がより良い健康アウトカムに関連するという結果と一致するものだ」とゴールドマン助教授は述べている。
出典は『米国心臓学会雑誌』。 (論文要旨)
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