2020.5.13
, EurekAlert より:
フライドポテト、チーズ、クッキー、炭酸飲料、スポーツドリンク、エナジードリンクなどは、炎症性腸疾患(IBD)患者の食事によくみられる飲食物だという。米・ジョージア州立大学の研究。
研究者らは、2015年の国民健康調査(NIHS)を分析して、米国における炎症性腸疾患の成人患者の摂食量と摂取頻度を分析した。評価対象とした食品は26品目とした。すると、一般的にジャンクフードとされる食品が炎症性腸疾患に関連していることが明らかになった。
消化管の慢性的な炎症を特徴とする炎症性腸疾患の患者は、米国では300万人にのぼるとされる。主にクローン病と潰瘍性大腸炎の2種類があり、一般的な症状は、下痢、腹痛、直腸からの出血または血便、体重減少、疲労などだ。
この研究では、多くの炎症性腸疾患の患者が非患者に比べてフライドポテトやチーズ、クッキーの摂取量が多いこと、100%果汁飲料の摂取量が少ないことがわかった。
フライドポテトとスポーツドリンク、エナジードリンクの摂取、また炭酸飲料の頻繁な摂取は、炎症性腸疾患に強い関連を持っていた。一方で、牛乳やポップコーンの摂取は、この疾患との関連性が低かったという。
「通常ジャンクフードに分類される食品は、炎症性腸疾患と明確に関連していたが、この疾患を持つ人と持たない人の食事パターンは非常に似ていることがわかりました」と筆頭著者のハン博士は話している。「しかし、調査が実施されるずっと前からの、炎症性腸疾患患者の食物摂取量の変化を、この調査結果が反映しているかどうかは不明です」
炎症性腸疾患のリスクと有病率における食物摂取の役割を完全に理解するには、環境要因(たとえば、「食の砂漠」問題)、食品加工(揚げ物など)、そして腸の炎症を引き起こし、炎症性腸疾患になりやすくする可能性のある生理活性成分を調査することが重要だ、と研究者らは結論付けている。
出典は『プロスワン』。 (論文要旨)
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