2020.5.13
, EurekAlert より:
母乳哺育は、母親の産後糖尿病の発症リスクを下げる効果があるようだ、という韓国科学技術院からの研究報告。
授乳をすると、セロトニン生産を通じて膵臓のβ細胞の量と機能が上昇するようだ。この効果は、授乳終了後も数年は続くという。
研究チームは、母乳哺育女性85名と非母乳哺育女性99名を対象に、産後2カ月から最低3年間の追跡調査を実施した。
その結果、母乳哺育の母親は、膵臓のβ細胞の量と機能が改善され、血糖値が20mg/dl低下し、産後糖尿病リスクが低下することが明らかになったという。この有益な効果は、授乳を中止した後も出産後3年以上にわたって維持された。
研究チームはまた、セロトニンが膵臓のβ細胞で産生されることを発見した。セロトニンはここでは抗酸化物資として、酸化ストレスを減らしてβ細胞を健康にする役割があるという。セロトニンはまたβ細胞の増殖を誘発した。
「我々は、授乳がβ細胞の量と機能、そして血糖コントロールを改善することで女性の代謝的健康に有益であることを明らかにできたことを喜んでいる」と主任研究者のハイル・キム教授はコメントしている。
出典は『サイエンストランスレーショナル医療』。 (論文要旨)
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