2020.5.7
, EurekAlert より:
1千年以上前から、フロリダ州サウスイーストの住民は、カキを賞味するためにガルフコーストの小島へ定期的に旅行していたようだ、という米国フロリダ自然史博物館からの研究報告。気候変動と社会的激変に対処するための手段だったのではないかという。
考古学者らによるタンパベイの北約50マイルにあるロバーツ島の分析から、古代の人々が継続的に数世紀にわたって社交と祭礼のための集会の伝統をもち、それは周辺の殆どの儀式サイトが放棄されたAD650年ごろにあった未知の危機の後も続いていたようだ。続く400年間にも市外居住者がこの島に旅行した。ただし、他の饗宴とは異なり、そこでは主としてカキが食べられていたが、海面が低く、涼しく乾燥した状態を反映している可能性があるという。
「私が最も印象的だったことは、気候変動と思われる危機の最中にも、人々がこの島との関係を維持することにたいへん興味を持っていたという事実である」と筆頭研究者のC・トレバー・デューク博士は語っている。
デューク博士らは、古くから有名な儀式用地のあるロバーツ島とクリスタルリバーの遺跡を調査した。クリスタルリバーでは、住民は儀式のごちそうを楽しみ、訪問者にシカ、ワニ、サメその他数十種類の料理を提供していたが、ロバーツ島では殆どがカキでそれ以外のものは殆どなかった。
これらの場所は東海岸の広域の宗教的ネットワークに組み込まれていたという。AD50年ごろクリスタルリバーで小規模の儀式が始まり、200年ごろに定住集落ができて以後拡大した。しかし、AD650年ごろに起こった危機のために放棄され、1マイルほど下流のロバーツ島により小さな儀式場が作られたようだ。
出典は『サウスイースタン考古学』。 (論文要旨)
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