2020.4.23
, EurekAlert より:
一般的な「最先端」のスポーツ栄養製品は、通常の糖質が豊富で安価なジャガイモベースの食品と比べて、女性アスリートの回復を促進するのに効果的とはいえないようだ、という米国モンタナ大学からの研究報告。
「アスリートは販売戦略に脆弱であり、すぐに影響されがちだ」と主任研究者のブレント・ルビー教授は語っている。教授は持久性運動のベテランアスリートである。
研究チームは、これまでにも、運動後の炭水化物が、消費された筋肉を補充するのに効果的であることを示してきた。2015年の研究では、マクドナルドのハッピーミールが、運動からの回復に、市販の栄養製品と同様に効果的あることを示して注目を集めた。
今回研究チームは、女性の余暇的なアスリートを対象に同様の検証を行った。
「運動後の筋肉回復について多くの研究が存在するが、女性を対象としたものはほとんどない。男性が対象になることが普通であり、そこから全体的な推奨が作られるが、これは良くないことだ」とルビー教授は言う。
ルビー教授らは、ジャガイモ研究教育連合の研究費で、マクドナルド研究と類似の研究を実施したが、今回は、ジャガイモ製品とスポーツサプリメントが男性と女性の余暇的なアスリートの筋肉回復に及ぼす影響を調べることにした。
8人の男性と8人の女性を対象に、90分間の高強度サイクリングに続いて休息、回復、燃料補給、そして20kmタイムトライアルを実施した。血液検査と筋肉生検を行った結果、男性も女性も通常の食品によってスポートサプリメントと同様の回復が見られたという。
ルビー教授は、今回の結果が、女性アスリートに、男性同様、燃料補給プログラムの選択の助けになることを願っているという。
「持久性運動のアスリートは、いかに激しくトレーニングしたか、そしてどんなに特別な食事をしているかを語るのが大好きだ」とルビー教授は言う。「けれども我々は深く息をする必要がある。なにも物事を複雑にする必要はない。十分な炭水化物を摂っている限り、望むだけ多様な食事を続けることができるのである。」
出典は『欧州応用生理学雑誌』。 (論文要旨)
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