2020.4.23
, EurekAlert より:
乳幼児の牛乳アレルギー診断ガイドラインは、過剰診断につながる可能性がある、という英国インペリアルカレッジロンドンと露モスクワ医科大学からの研究報告。
研究チームは、2012年から2019年に発表された9件の牛乳アレルギーガイドラインをレビューした。
7件のガイドラインは、一般的な乳幼児の症状の原因として牛乳アレルギーを考えることを示唆していた。7件は、母親の厳密な牛乳忌避を、母乳哺育児の一般症状の管理のために推奨していた。
研究チームは、フードチャレンジで牛乳アレルギーが診断されたのは乳幼児の1%に過ぎないことを発見した。
また、臨床試験では、母親または乳幼児の牛乳忌避が、フードチャレンジで診断されていない乳幼児の一般症状の管理に有効であるという一貫した結果が示されていないことも発見した。
研究チームは、殆どの場合、牛乳を摂取した母親の母乳にはアレルギーの引き金になる量の牛乳アレルゲンは極微量であり、恐らくフードチャレンジで診断された乳幼児の99%以上においてアレルギーを起こさないと推定した。
3件のガイドラインは、人工乳メーカーや市場コンサルタントに直接支援されていた。すべてのガイドラインの81%の著者が、人工乳メーカーとの利益相反を報告していた。
「牛乳アレルギーの乳幼児の一般症状の管理についての推奨は、エビデンスベースではない。特に直接牛乳を摂取していない母乳哺育児において。そのような推奨は母乳哺育への信頼を損なうことにより害を及ぼす可能性がある」と研究チームは結論付けている。
出典は『JAMA小児科学』。 (論文要旨)
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