2020.4.21
, EurekAlert より: 
セリアック病に対する認識が高まりグルテンフリー食へのアクセスも良好になっているにも関わらず、患者は早死のリスクが高まるようだ、というスウェーデン・カロリンスカ研究所と米国コロンビア大学からの報告。
先行研究は、セリアック病患者は穏やかだが持続的な早死リスクの上昇は証明されていたが、近年、より警鐘の患者が増え、またグルテンフリー食も広く利用できるようになってきた。そのため、セリアック病はもはや早死リスクを高めることはなくなっているのではないか、と予測する研究者もいた。
今回、スウェーデンの全国データを用いてほぼ5万人のセリアック病患者と早死リスクの関係を検討したところ、対照者と比較して、セリアック病患者では総死亡リスクが21%高まることが明らかになったという。特に18-39歳の患者で死亡リスクが最も高かった。
セリアック病患者は、心血管疾患、がん、呼吸器疾患の死亡リスクが高ったという。総死亡リスクは、診断後の最初の年で最大だったが、リスクの増加は、診断後10年を超えても持続した。近年(2010-2017年)に診断された患者にもみられた。
「セリアック病が寿命に影響する多くの長期合併症の原因となることは分かっていたが、本研究では極めて最近の集団を検証しており、セリアック病への認識も高まりグルテンフリー食も容易に入手可能である」と筆頭研究者のベンジャミン・レブウォール教授は語っている。「にもかかわらず、セリアック病の長期の予後はあまり良いとはいえなかった。」
出典は『米国医学会誌(JAMA)』。 (論文要旨)
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