2020.4.17
, EurekAlert より:
すべての妥当な前向き研究を分析した結果、食物繊維の豊富な食事は乳がんの発症リスクを下げることがわかった、という米国ハーバード大学からの研究報告。
多くの研究が食物繊維の摂取と乳がんの発症リスクについて一致しない結果を報告していることから、ミリアム・ファービッド博士ら研究チームは、2019年7月までに発表されたすべての妥当な前向き研究を解析することにしたという。
研究チームは、見つかった20件の観察研究のデータをプールして解析した結果、食物繊維の摂取量が最も高かった人は最も少なかった人に比べて、乳がんの発症リスクが8%低いことを発見したという。水溶性食物繊維も乳がんリスクの低下に関連しており、また閉経前女性と閉経後女性の両方でリスクの低下が観察された。
「我々の研究結果は、生活習慣が乳がんリスクに影響するという既に多くあるエビデンスに寄与するものである」とファービッド博士は語っている。「我々の結果は、米国がん協会の食事ガイドラインが推奨する、果実、野菜、全粒穀物などの食物繊維の豊富な食事の重要性をサポートするエビデンスである。」
重要なことは、この知見が、食物繊維が直接的に乳がんリスクを低下させることを証明するものではないということである。因果的な関係については、ランダム化臨床試験が必要になる、と研究チームは注記している。
出典は『がん』。 (論文要旨)
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