2020.4.17
, EurekAlert より:
湖畔や高原の美しいハイキングコースは高齢者の外出を促すと一般に思われているが、すべての高齢者にとってというわけではないようだ、というフィンランド・ユヴァスキュラ大学からの研究報告。
研究チームは、ユヴァスキとムーラメ在住の75-90歳の848名を対象に調査を実施した。普段の身体活動量と、アウトドアーで活動してみたい好みの環境特徴、健康状態、社会経済状態をインタビューした。居住地の環境特徴は住所の地理空間データから割り出した。
解析の結果、高齢者がアウトドアで活動したいと考える環境の特徴は、どのような場所に住んでいるかで異なることが明らかになったという。特に、人口密度の高い地域と低い地域の間で違いが見られた。
「人口密集地域に住んでいる高齢者は、活発な身体活動のできる場所を好んだが、人口密度の低い地域の高齢者は、家に近い場所で歩行者のための環境整備がなされていることが、活発な運動よりも重要だと考えていた」と筆頭研究者で大学院生のキルシ・ケンスキネンは語っている。
安全な遊歩道、あるいは道路に沿った歩道、街路灯など高齢者が歩きやすい環境が重要であるという。
「高齢者の身体活動を促進するための対策を計画するときは、近隣環境条件を考慮する必要がある」とケンスキネンは結論付けている。
出典は『加齢身体活動雑誌』。 (論文要旨)
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