リンクdeダイエット 世界の最新健康・栄養ニュース お問合わせ プライバシーポリシー リンク・著作権等について
ニュース詳細
[病気]  心臓病リスクがすぐにわかる方法−太めの人の場合
2020.4.14 , EurekAlert より:   記事の難易度 1
  

過体重または肥満の人において、太ももの周囲長が大きいほど血圧は低い傾向があり、心臓病リスクも低下する可能性が明らかになった。ただし普通体重の人にはこの傾向はみられなかったという。中国・上海交通大学の研究。

今回の調査結果は、太ももの重量が大きいことが、心臓病のリスクが高い肥満・過体重の人にとって心臓の健康のバロメーターとなる可能性があることを示唆している。太もも周囲長の測定は、特別な機器を必要とせず安価で簡単に行えるため、肥満や過体重者の高血圧の早期発見に役立ちそうだ。

高血圧は、世界中で10億人以上の人々に影響を及ぼしている公衆衛生上の主要な問題であり、世界的に死亡と障害の主因となっている。高血圧リスクを高めるとされる原因として、過体重、運動不足、喫煙、塩分の過剰摂取など、多くが挙げられている。血圧が上昇すると、心臓や動脈に過剰な負担がかかり、血管内に脂肪が蓄積して血流が阻害される可能性があり、このことから心臓病や脳卒中などの深刻な状態に至るリスクが高まるとされる。

ほとんどの人は自覚症状がないため、高血圧になっていても気づかない。したがって、リスクの高い人を早期に特定し、食生活のチェックや運動の増加などの介入戦略を採ることで、血管や心臓へのさらなるダメージを防ぐことができる。

身体の各部位の周囲長の測定は簡単かつ安価に行えるため、以前より特定の疾患のリスクを評価するのに用いられてきた。例えば、ウエスト周囲長が大きいと血圧が上昇し、太ももの周囲が小さいと糖尿病リスクとなることがよく知られている。

研究チームは、40歳以上の中国人男女9,250人の大腿囲と血圧との関連を調査した。このうち、5,348人が過体重か肥満、4,172人が通常の体重だった。

その結果、過体重または肥満の人においては太ももの周囲長が大きいこと(男性55cm以上、女性54cm以上)と高血圧リスクの低さに有意な関連性のあることが明らかになった。これは、年齢、性別、BMI、ウエスト周囲長に関わらずみられたという。一方、太ももの周囲長が小さい人(男性は51cm未満、女性は50cm未満)の方が血圧が高くなる傾向があった。

一方で、普通体重の人ではウエスト周囲長と高血圧リスクに関連性はみられなかったという。

「腹部の脂肪とは対照的に、脚の脂肪は代謝に有益である可能性があります。この関連の原因として最も可能性が高いのは、大腿筋や皮下脂肪が、比較的血圧を維持するのに役立つ様々な有益な物質を安定的に分泌しているということです」と著者のヤン博士は説明している。

ただし、人種や身体活動の違いによって太ももの周囲長に大きな違いがあるため、この研究の周囲長の基準は他の集団には当てはまらない可能性もあるという。

博士らは現在、太ももの脂肪量・筋肉量・骨量、たんぱく質などの体組成を測定することにより、この関連性をさらに調査する予定だという。これらの成分の異なる比率は、太もも周囲長と血圧との関連の手がかりを提供し、将来の治療法の開発に役立つかもしれないとのことだ。

出典は『内分泌コネクション』。 (論文要旨)      
 「病気」 カテゴリ 最近の注目トピック
  西洋型食と大腸がんをつなぐ腸内細菌  
  睡眠を追加した「人生エッセンシャル8」を発表  
  米国の肥満率、さらに深刻に  
  新しい生体指標ががんの効果的な治療の可能性を解き放つ?  
  糖尿病新治療のカギに?画期的な発見  
  フルクトースはグリセリン酸を介して糖尿病リスクを高める?  
 
翻訳機能ON/OFF選択
ON OFF
自分で探してみよう
最新ニュース(EurekAlert!)
最新文献(PubMed)
最新健康食品文献リスト
関連ページ
国立健康・栄養研究所
健康・栄養フォーラム
健康・体力づくりと
  運動に関するデータベース
栄養調査情報のひろば
「健康食品」の
  安全性・有効性情報