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[栄養]  居住状態の摂食研究が人間栄養学を促進する
2020.4.14 , EurekAlert より:   記事の難易度 1
  

健康的な食事の内容について人々が混乱しているのは、栄養学研究では摂取する食事や食事プログラムの順守についての基準があいまであることに一部関係しているのではないか、という『サイエンス』誌展望欄の記事。

著者で米国・国立糖尿病、消化器、腎臓疾患研究所のケビン・ホール博士によれば、居住状態での食事摂取研究 ―― 対象者は快適でありながらも管理された施設に宿泊して食事をとる ―― なら健康に対する食事の影響はもっと正しく解明できるという。

健康的な食事の内容の基本については意見が一致しているが、人間にとって最適な栄養という突っ込んだ問題を議論するとなると、とたんに意見が食い違ってくる。近年、関係する問題に現代の栄養学で答えを出せるかどうかが問われている。この問題をさらに難しくしているのは、これを検討するための慎重に管理された研究がないことだとホール博士は述べている。

「治験責任医師が対象者に与える薬の量を管理し、用量反応を客観的に測定しているという確信なしに、新薬の開発を試みると想像してほしい」とホール博士は書いている。

栄養学では対象者からの主観的な評価基準に基づく報告に依存することが多く、試験中や非試験中の食事の摂取を確認したり直接観察したりすることはほとんどない、多くの無作為食事研究で明らかになるのは、様々な食事の摂取効果ではなく、むしろ様々な食事アドバイスを順守した対象者の効果である。

そういった研究の結果では「食事プログラムの順守とその食事の効果が混同されている」とホール博士は述べ、対象者が研究施設に継続的に快適に寝泊まりし、それによって治験責任医師が対象者の食事摂取を管理し、客観的に測定できるような人間の栄養学の研究を進める必要があるとしている。

良く設計された居住状態での食事摂取研究を行えば、基本的な機構 ―― それによって既知の食事の違いが私たち全員に影響する ―― の解明が進み、例えば食事の違いや微生物叢と宿主の生理の複雑な相互関係について多くの情報を得ることができるとともに、食事と病気の関係を評価するための長期的な食事研究で使用できる食事摂取の指標としての標準バイオマーカーや試験技術も分かると考えられる。

ホール博士はまた、「自由に生活している人々における長期的な栄養研究は常に必要となる」など、これらの研究の制約についても述べている。

出典は『サイエンス』。 (論文要旨)      
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