2020.4.8
, EurekAlert より:
インドとパキスタンの限定された核戦争であっても世界的な飢饉をもたらす可能性がある、という米国コロンビア大学などによる国際共同研究。
世界には推定14,000発の核兵器があるが、その95%は米国とロシアに局在している。インドとパキスタンは、各々150発ほどを保有するに過ぎない。
研究チームは、ヒロシマサイズの核爆弾を各々50発使用した場合(全核兵器の1%未満にあたる)を想定してシミュレーションを実施した。
核兵器による直接的な殺戮と破壊に加えて、火災などから500万トンの煤が大気中に拡散するだろう、と研究チームは言う。それが世界中に広がり、日照をさえぎる結果、世界の平均気温は1.8℃低下しそれが少なくとも5年間継続する。
その結果、トウモロコシ、小麦、大豆、米の収穫がその間11%低下し、5-10年間は完全には回復しない。
「このような地域限定核戦争であっても、壊滅的な影響を世界中におよぼす」と筆頭研究者のジョーナス・イェーガーマイヤー博士は語っている。「これは過去に記録された最大の飢饉をも超えるものになるだろう。」
出典は『国立科学アカデミー論文集』。 (論文要旨)
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