2020.4.8
, EurekAlert より:
2016年のジカ熱の流行中、ニュース露出はウィキペディアのジカウイルス関連ページへの訪問回数に、ローカルな病気のリスクよりもはるかに大きな影響を与えたようだ、というイタリア・ISI財団からの研究報告。
新研究で、ミケーレ・ティツォーニら研究チームは、メディアの報道と2016年のジカウイルスの流行に対する一般の関心との関係を調査した。2016年に米国の都市および州の人々がジカに関連するウィキペディアページにアクセスした合計回数に関するデータを分析し、それらの数をジカ熱発生率およびニュースメディアのジカに関する言及と比較した。
分析の結果、アウトブレイク中のジカ関連のウィキペディアのページビュー数は、国レベルおよび州レベルの両方で、ウェブおよび全国テレビニュースでのウイルスの言及と高く同期していることが分かったという。報告されたジカの症例数と地域感染のリスクは州によって大きく異なったが、ウィキペディアのページビューのパターンは全国で非常に似ていた。
「ウィキペディアのページビューデータは、アウトブレイク中の集団的関心のグローバルパターンを研究するための非常に貴重で詳細なリソースである」とティツォーニ氏は述べている。「こういう重要なデータを使用して、全国のパターンと、地域ごとの行動の変化を見つけることができる。」
「ウィキペディアは自由に利用できるコンテンツの山だが、多くの人々は、それがオープンデータの膨大なリソースであり、いつでも世界の注目を集めているものに関する貴重な洞察を提供できることを知らないかもしれまない」とウィキペディアを運営している非営利組織ウィキメディア財団の研究者であるミリアム・レディ氏はコメントしている。
出典は『プロスコンピュータ生物学』。 (論文要旨)
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