2020.3.12
, EurekAlert より:
社会通念と価値観は時を経て変化するので、科学者は彼らの研究の客観的事実を大衆に効果的に伝えることに苦労する。現在、米国ミズーリ大学とコロラド大学の研究チームは、研究者の人間的な側面を聴衆に示すことが有効であると信じているという。「わたし」という一人称の語りが聴衆との個人的なつながりを確立する助けになるという。
伝統的に、科学者は聴衆が彼らの研究の客観的事実を共有するときに彼らを評価するとは限らないと考えていた、と責任著者のシーシー・フーは語っている。
「多くの場合、大衆は科学者が提示したものを理解するが、個人個人が異なるやり方で理解する」とフーは言う。「したがって、相互理解が必要になる。科学者は聴衆を信頼しなければならないし、聴衆も科学者を信頼しなければならない。」
知覚された真正性に関する文献レビューの結果、科学コミュニケーションに関連した適当な定義が見つからなかったので、研究チームは、科学コミュニケーションの知覚された真正性について仮説を立てた。科学者は、個人の信念体系に基づいて彼らの価値観に基づいてメッセージを発信するというものである。
研究チームは、真正性についての19項目の質問によって仮説を検証した。質問は、出版済みの植物科学研究の記述に基づき、研究を説明する物語をランダムに含んでいた。この語りの中には、研究者であるJ・クリス・パイアス氏の実際の人生において、なぜ植物科学に興味を持つようになったか、ということについての経験が含まれていた。
その結果、研究チームは、科学者が一人称の語りによって彼の研究の着想から発展までのストーリーを語る(建前ではなく)ことが、聴衆にそれをより真正なものとして伝達できることを発見したという。科学者が、一人称の語りだけを使うことで、聴衆は科学者を感情的なつながりに基づいて真正なものとして知覚するようだという。
「我々の発見が、科学者が研究のコミュニケーションを強化するために使用できる知恵、ガイダンス、およびツールを提供することを願っている」と筆頭研究者のリセ・サフラン教授はコメントしている。
出典は『プロスワン』。 (論文要旨)
|