2020.3.10
, EurekAlert より:
ナッツ、野菜、大豆の豊富なベジタリアン食を食べる人は、肉や魚を食べる人に比べて、脳卒中のリスクが低いようだ、という台湾・慈済大学からの研究報告。
研究は、台湾で2つの仏教徒集団を対象に実施された。彼らは、菜食を奨励され、タバコ、飲酒を制限されていた。参加者の30%がベジタリアンだった。ベジタリアンの25%が男性だった。ここではベジタリアンとは肉と魚を全く食べない人と定義されていた。
研究開始時に、参加者の平均年齢は50歳、誰も脳卒中を経験していなかった。
第1のグループは、5,050人おり、平均6年間追跡調査された。第2のグループは8,302人おり、平均9年間追跡調査された。
ベジタリアンは、非ベジタリアンより、より多くのナッツ、野菜、大豆を摂取し、乳製品は少なかった。どちらも卵と果物の摂取量は同じだった。ベジタリアンはより多くの食物繊維と植物性たんぱく質を摂取していた。また動物性たんぱく質と脂肪の摂取量が少なかった。
第1のグループの5,050人中、54人が脳卒中を発症した。虚血性脳卒中は、ベジタリアン1,424名中3人(0.21%)、非ベジタリアン3,626人中28人(0.77%)だった。年齢、性別、喫煙の有無、高血圧・糖尿病などの疾患の有無を調整した結果、ベジタリアンは非ベジタリアンに比べて虚血性脳卒中のリスクが74%低いことが明らかになった。
第2のグループの8,302人中121人が脳卒中を発症した。虚血性および出血性脳卒中は、ベジタリアン2,719人中24名(0.88%)、非ベジタリアン5,583人中97人(1.73%)だった。種々の因子を調製した結果、ベジタリアンは非ベジタリアンに比べて虚血性脳卒中のリスクが60%低く、出血性脳卒中のリスクが65%低いことが明らかになった。
「全体として、我々の研究はベジタリアン食が有益であり虚血性脳卒中のリスクを低下させることを発見した」と主任研究者の林清隆教授はコメントしている。
出典は『神経学』。 (論文要旨)
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