2020.3.9
, EurekAlert より:
加熱すると抗酸化物質が減少し、健康効果が無くなってしまうのでは?と思われがちなエキストラバージンオリーブオイル。実際には、多少目減りするものの、欧州で「健康的」とされる基準をクリアするレベルは維持できていることがわかった。スペイン・バルセロナ大学の研究。
エキストラバージンオリーブオイルは、地中海式食における主な脂肪源であり、他の食用油に比べて抗酸化物質の含有量が多いほか独特な脂肪酸組成を持っている。しかし、加熱調理に用いるのに向いているか、という点を調べた研究はあまりない。
この油の健康への利点は、主にポリフェノールと呼ばれる抗酸化物質に由来するものだ。「これらのポリフェノールに対する調理の影響は、研究室や産業界において常に研究されてきましたが、これは一般家庭での状況とはほど遠いものです」と、研究者のラムエラ氏。
そこでこの研究では、家庭用キッチンの調理条件をシミュレートした。目的は、自家製ソテーがエキストラバージンオリーブオイルのポリフェノールにどう影響するかを確認することだった。研究者は、調理温度が120°Cまたは170°Cで、調理時間が長い場合・短い場合に抗酸化物質がどの程度分解されるかを調べた。
結果、ポリフェノールの含有量は加熱調理によって、120℃の場合40%減少、170℃では75%減少した。調理時間は、ヒドロキシチロソールなどのフェノールに影響を与えたが、フェノールの総含有量には影響しなかった。全体として、抗酸化物質のレベルは、EUにおいて「健康的」と承認されるレベルを維持していたという。
出典は『抗酸化物質』。 (論文要旨)
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