2020.3.9
, EurekAlert より:
親が子供に健康的ではないスナックを与えることは、親自身の食事を改善するかもしれないという、カナダ・アルバータ大学からの研究報告。
本研究は、子供の食べたい食品の要求に応える親やベビーシッター等の世話人は、そのスナックが健康であるかどうかに関わらず、世話をする大人自身が、より良い食品を選択する傾向であったことを明らかにした。
研究者らは、子供に学校給食で好物を詰めさせるなど、様々な状況で子供に意思決定を行わせた後、世話をする大人がどう感じたか、どのような食品を摂取したかを、フィールド調査と実験を通して調査を行った。
実験の結果、子供が求めたスナックを与えた親達は、子供に親自身の好みの食品を与えた親達より、彼ら自身が健康的ではない食品を食べる個数が2.7個少なく、健康的なスナックを1.9個多く食べていた。その理由は、世話をする親達が、自分の決定についてどのように感じているかによるものであると、筆頭研究者のウトク・アコック博士は述べている。
「我々の理論では、子供の好みに従順な母親は、子供に自分の食事を強制する母親と比べ、無力感を感じる。人は無力だと感じた時、より抑制された健康的な選択を行うのである。」
対照的に、自分の選択を子供に強制する親は、「チョコレートケーキではなく、フルーツサラダを子どもに食べさせようと説得する。それが成功すると、親達は自分にご馳走をあげようとする」とアコック博士は述べている。これは、子供に不健康な食事を選択させた親にも当てはまるという。
調査ではまた、親達が子どもと一緒に食事を食べた場合、親らは子どもの食事の選択に影響を受け、同じように健康的または不健康的な食事を選ぶことが示された。
「私たちは果物を食べさせた子供の前で、ケーキを食べると、偽善的と感じるためだと考えているからだと考えている」とアコック博士は述べている。
「本研究は、両親や他の大人が子供たちと一緒に食事をすることで、健康的な食事が増える方法を示すものだ」とアコック博士はコメントしている。
出典は『食欲』。 (論文要旨)
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