2020.2.27
, EurekAlert より:
高齢者が地中海型ダイエットを1年続けると、健康的な加齢にリンクした腸内細菌を増やすことができるかもしれない、というアイルランド・ユニバーシティカレッジコークからの研究報告。
研究チームは、65-79歳の612名の12カ月の介入前後の腸内細菌を解析した。対象者の半数(323名)は、12カ月にわたって地中海型ダイエットを実施した。残りの289名は通常の食事を継続した。
地中海型ダイエットは、果物、野菜、ナッツ、豆類、オリーブ油、魚介類が豊富で赤肉、飽和脂肪酸が少ない。今回の介入では特に高齢者向けに特化されていた。
12カ月間の地中海型ダイエットは、フレイルの低下、改善された認知機能と正の相関があり、C反応性たんぱく質、インターロイキン-17を含む炎症マーカーと負の相関がみられた。
さらに地中海型ダイエットは、腸内細菌叢の有益な変化と関連していた。細菌叢の多様性の低下を食い止めることに関連しており、また有益な短鎖脂肪酸を生産する細菌が増加し、特定の胆汁酸の生産に関与する際気が減少していた。
こうした変化は、食物繊維、ビタミン、ミネラルの摂取増加によるものと考えられた。年齢、体重、BMIとは無関係だったという。
ただし、高齢者は歯の問題や嚥下困難を抱えている可能性があるため、地中海型ダイエットは非現実的かもしれないことを研究チームは認めている。
研究チームは、本研究結果が、習慣的な食事を改善して腸内微生物叢を調整することの実現可能性を裏付けており、これはより健康な加齢を促進する可能性を持っている、と結論付けている。
出典は『消化管』。 (論文要旨)
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