2020.2.18
, EurekAlert より:
ボルチモアの都市部居住地域でもアルコール販売を減らせば、殺人発生率が低下するかもしれない、という米国ノースカロライナ大学からの研究報告。
ボルチモアはアルコール販売のゾーン規制を見直している最中であるが、研究チームは、暴力犯罪の50%がアルコールに起因するものと仮定して、ゾーン規制の変更がボルチモアの殺人発生率に及ぼす影響を3つのコンピュータモデルを用いて検討した。
1つ目は、アルコール販売店舗を20%削減する。2つ目は、居住地域の店舗のみを閉鎖する。3つ目は、バーや居酒屋として許可を受けているが実際にはアルコール販売店として営業している店舗を閉鎖する(こうした偽のバーや居酒屋はアルコール販売の時間規制を避けるためのもの)。
種々の交絡因子を調整後、1つ目の20%削減モデルは、殺人が年51人減少し、6,370万ドルを節約できることが明らかになった。2つ目の居住地域の販売を止めるモデルは、殺人が年22人減少し、2,750万ドルを節約できた。3つ目の偽のバーや居酒屋の営業を止めるモデルは、年わずか1人の減少と120万ドルの削減に留まった。
20%の販売店舗を閉鎖することが最も大きな効果をあげることが期待されたが、研究チームによれば、ボルチモア市当局が、そのような大きな改革はビジネスを破壊するものと思われるので実施はできないだろうと考察している。
その代わり、居住地域の80店舗の閉鎖が望ましい選択肢だろうとしている。なぜならボルチモアには1,200件以上の許可店舗があるので、15件のつき1件の閉鎖で300人以上の殺人から22人が生き伸びられるからである。
出典は『アルコール・薬物研究雑誌』。 (論文要旨)
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