2020.2.10
, EurekAlert より:
米国スタンフォード大学の研究チームは、ヒトの年齢を分類する新たな「年齢型(ageotypes)」を提唱した。
「我々はすでにコレステロール値のようにいくつかの臨床指標を持っている」と主任研究者のマイケル・スナイダー教授は語っている。「だが、我々は集団の平均から得られるよう以上に年齢についてもっと知りたかった。個人には加齢によってなにが起きるのか。同じ人物の時間経過を詳細に追ったものはこれまでいなかった。」
研究チームはそれを行ったという。34歳から68歳の健康な男女43名を2年にわたって最低5回、彼らの分子生物学的パラメーターを詳細に測定した。
研究チームは、人々が通常、いくつかの生物学的経路(代謝、免疫、肝臓、腎臓)にそって年をとることを明らかにした。たとえば、代謝的に年をとる人は、年齢を重ねるにしたがって、糖尿病のリスクが高まる、あるいは血糖値の指標であるヘモグロビンA1cの上昇傾向を示す。一方、免疫的に年をとる人は、炎症指標が高まる傾向があり、これは免疫関連疾患のリスクを高める。このような年齢型は、排他的なものではないので、複数の年齢型を持っているのが普通であるという。
血液、糞便、その他の生物学的検体を用いて、研究では2年以上にわたって、ある種の微生物と生物学的分子(たんぱく質、代謝物、脂質など)を測定しその変化を追った。
「我々の研究は、同一個体から数年にわたって複数回採取した検体から幅広い範囲の分子を研究することにより、加齢過程のより包括的な視点をとらえるものである」とスナイダー教授は語っている。「我々は分子レベルで各個体が各々異なるかたちで年を取っていくというクリアなパターンを観察することができた。」
出典は『ネイチャー医学』。 (論文要旨)
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