2020.2.5
, EurekAlert より:
国のガイドラインでは、前立腺がんの男性は、野菜をよく食べることが推奨されている。しかし、前立腺がん患者の第V相無作為化臨床試験では、毎日7ポーション以上の野菜や果物を食べた場合でも、微量栄養素の摂取量の増加による予防効果は見られなかったという、米国のカリフォルニア大学からの研究報告。
男性の食事と生活(MEAL)研究では、米国の91地域の50〜80歳の男性、478人を対象とした。対象者は、初期の前立腺がん患者で調査に登録した者であった。
患者は、無作為に割り付けられ、対照群は食事と前立腺がんに関する書面の情報を受け取り、介入群は、ニンジン、トマトなどのカロテノイドの多い野菜や、キャベツやブロッコリーなどのアブラナ科の野菜を食べることを電話で介入を行うプログラムを受けた。2年間追跡された。
「その結果、対照群と比べ、介入群では果物や野菜の摂取量が有意に増加した。さらに、患者の血中のカロテノイド濃度が有意に変化した。しかし、微量栄養素が豊富な野菜を多く含む食事が前立腺がんの生存者のがんの転帰を改善することはなかった」と ジェームズマーシャル博士は述べている。
「本研究結果、野菜をより多く食べても前立腺がんの経過は変わらないことを示した。しかし、果物や野菜の豊富な健康的な食事を食べることや、運動量を増やすことは、がんを治すことはできないが、身体をより強く健康的に保つことにより、がん治療に耐えられる体作りができる」と、ケロッグ・パーソンズ博士は述べている。
本研究は、前立腺がんの食事介入効果を評価した初めての無作為化臨床試験である。「食事を変えることで治療を減らすことができるかという患者の質問が最も多い。本研究結果から果物や野菜を多く、赤身肉を少なくしても治療には影響がなさそうだという根拠を示した。しかし、本研究結果は、食べたいものを食べることを正当化するわけではない。低脂肪で、果物、野菜や健康的な穀物が豊富な食事の健康に良いことは確立されている」と、共著者のジェームス・モラー教授は述べている。
「病気に対する栄養の影響は、依然として研究者と臨床医との間で議論されている問題である。研究においては、食事を変えることで、糖尿病や循環器疾患が改善されることは明らかになっているが、がんについてはそうでない」とパーソンズ博士はコメントしている。
出典は『米国医学会誌(JAMA)』。 (論文要旨)
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