2020.1.30
, EurekAlert より:
5人に1人は脂肪肝、40人に1人が肝繊維症を発症しているようだ、という英国ブリストル大学等からの報告。英国の若年成人の脂肪肝と肝繊維症の有病率を調査した初めての研究であるという。
脂肪肝は、脂肪が肝臓の細胞に蓄積する状態である。過体重、肥満の者に一般的に認められる非アルコール性脂肪肝(NAFLD)と、有害な量のアルコール摂取に関連するアルコール関連脂肪肝に大別される。治療なしで放置したままだと、肝繊維症、肝硬変を引き起こす可能性がある。世界レベルでは、NAFLDは、先進国の成人の約4人に1人に影響を及ぼしているという。
今回の研究では、エイボン親子縦断研究(ALSPAC)の参加者4,021人のデータを解析した。
結果は、有害なアルコール摂取を報告しなかった者に限定して検討したところ、5人に1名に非アルコール性脂肪肝疾患が認められたという。対象者全員で解析すると、20%以上に脂肪肝が認められ、40人に1人は、既に繊維症を発症していた。脂肪肝と有害なアルコール摂取の両方を満たした対象者は、肝臓の瘢痕化のリスクが最も高かったという。17歳では2.5%に中等度から重度の脂肪肝が認められたが、24歳では13%と高率を示した。
「コホートの20%が脂肪肝であることがわかった。一方で、肝硬変を発症するのはごく一部であることも示唆された。対象者の大半は、食事と運動の適切な管理すれば大丈夫である」とアベイセケラ博士は述べている。
出典は『ランセット消化器病学及び肝臓学』。 (論文要旨)
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