2020.1.15
, EurekAlert より:
2030年までに米国の成人のうち、約半数が肥満になり、さらにその約1/4が重度の肥満になるという、米国のハーバードT.Hチャン公衆衛生学研究室からの研究報告。
研究では、29州で人口の半数分以上が肥満となり、すべての州で35%を超えるという。研究者らは、米国成人の40%が肥満であり、そのうち、重度の肥満は18%と推定している。
研究者たちは、肥満や重度の肥満が健康や経済に与える影響の予測は厄介であったと述べている。
「肥満、特に重度の肥満は、慢性疾患と医療費を増加し、平均余命に悪影響を与える」とハーバードT.Hチャン公衆衛生学研究室のスティーブン・ゴートメーカー教授は述べている。
研究では、1993-2016年に行動リスク因子監視システム調査(BRFSS)に参加した約620万人以上の自己申告によるBMIを用いて推測した。肥満は、BMIが30kg/m2以上、重度の肥満はBMIが35kg/m2以上とした。自己申告のBMIは偏りが生じるため、統計学的に偏りを修正する手法を用いた。
研究者らは、BRFSSの大量のデータから特定の州や収入レベルや地域の肥満率を明らかにした。
いくつかの州では、2030年までの肥満率が60%近くなり、最も低い州でも40%に近づくという。重度の肥満のカテゴリーには、女性、非ヒスパニック系黒成人、収入が5万ドル未満の者が多いと予測している。
「成人の低所得者に重度の肥満者が多いことが予測されるが、これは将来の医療費にも大きな影響を与えるだろう。重度の肥満は、全ての州の低所得者で増加するため、体格が社会経済的格差に大きな影響を与える可能性がある。この結果が州の政策立案者にとって、役立つだろう」と、筆頭著者であるザカリ・ワード氏は述べている。
出典は『ニューイングランド医学雑誌』。 (論文要旨)
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