2020.1.6
, EurekAlert より:
間欠断食は、最近流行し始めたダイエットだが、本当に効果があるのだろうか。米国ジョンズホプキンズ大学によるレビュー報告。
神経科学者のマーク・マットソン教授は、25年にわたって間欠断食の健康影響を調べており、約20年前からは彼自身が実践しており、「間欠断食は健康的な生活習慣の一部とすることが可能だ」と書いている。
間欠断食には2種類あり、(1)1日の食事時間を6-8時間の中で済ませ、それ以外に時間に食べないというものと、(2)5:2ダイエットと呼ばれる、週2日を1日1回の中サイズ食に限定するものである。
一連の動物実験といくつかのヒト研究から、絶食と摂食の時間を交互に繰り返すことは、代謝スイッチと呼ばれるいにしえの食糧不足への適応反応を引き起こすことにより細胞の健康をサポートすることが示唆されている。このスイッチは、細胞が急速にアクセス可能な糖質燃料のストックを使い果たし、より遅い代謝プロセスで脂肪を燃料にし始めるときに起きる。
マットソン教授は、多くの研究がこのスイッチが血糖制御を改善しストレスへの抵抗性を増し、炎症を抑えることを示していると述べている。殆どの米国人は毎日3食プラスおやつの生活をしているから、このようなスイッチは経験することがないのである。
記事の中で、マットソン教授は、動物とヒトを対象にした4件の研究が、間欠断食で血圧、血中脂質レベル、休息時心拍数も低下することを報告したと述べている。
間欠断食が肥満と糖尿病の関連リスク因子を改善するというエビデンスも増えている、とマットソン教授は言う。100人の肥満女性を対象にした2件の研究が、5:2ダイエットで、カロリー制限ダイエットと同様に減量できただけでなく、それ以上にインスリン感受性を改善し腹部脂肪を減らしたと報告している。
最近の予備的な研究では、間欠断食は脳の健康にもよさそうであることが示唆されている、とマットソン教授は続けている。
「我々はターニングポイントにいる。しばらくすれば、間欠断食は医学部のカリキュラムに加えられるだろう」とマットソン教授は語っている。
(ニューイングランドのクリスマス特集?:−)
出典は『ニューイングランド医学雑誌』。 (論文要旨)
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