2019.12.25
, EurekAlert より:
定期的に唐辛子を摂取する人は、唐辛子を食べない人と比べて全死亡リスクが低かったという、イタリアのI.R.C.C.S.の予防疫学部門、サニタ医科大学、インスブリア大学、地中海心臓センターからの共同研究報告。
研究では、モリサニ研究に参加した22,811人を対象として、平均8年間の追跡調査を行った。その結果、唐辛子を習慣的に摂取(週4日以上)する人では、心筋発作のリスクが40%も低かった。さらに、脳血管疾患の死亡リスクは、50%以上低かった。
「唐辛子の摂取による死亡リスクの低下は、食事パターンとは独立していた。言い換えれば、健康的な地中海式食を食べた人であっても、健康ではない食事を食べた人であっても、唐辛子は予防効果があった」と、マリアラウラ・ボナッチョ博士は述べている。
モリサニ研究は、欧州と地中海の人を対象として、香辛料と死亡リスクとの関連を明らかにした初めての研究である。
「唐辛子は、イタリアの食文化に必要な食品である。私たちは、唐辛子をバルコニーに吊るしたり、宝石に描かれたりしているのを目にする。何世紀にもわたり、唐辛子の有益な効果は、魔法ではないが、伝統や逸話に基づいていた。そのため、科学的な根拠を示すことが重要であった。現在、中国や米国でも観察されているように、様々な唐辛子の種類が、世界で色々な方法で食べられている。唐辛子は、私たちの心臓発作を予防するだろう」とヴァレーゼ大学リシア・イアコビエッロ教授は述べている。
唐辛子や類似の種類(カプサイシンを含む)の生化学的メカニズムは、更なる研究が必要であるが、辛い食べ物が好きな人の習慣の理由は、心臓発作の予防という、もう一つの理由があったのかもしれない。
出典は『米国心臓学会誌』。 (論文要旨)
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