2019.12.23
, EurekAlert より:
高齢者でCaVbeta1Eたんぱく質の発現低下が筋力の低下に関連しているようだ、という仏ソルボンヌ大学からの研究報告。
骨格筋は人体で最も量の多い組織(約40%)であり、移動や生命維持(心拍や呼吸)に必須の役割を有している。加齢に伴い、多くの人で筋量、筋力の低下が起こる。これはサルコペニアと呼ばれる。障害と依存につながるこの状態は、2016年にWHOによって疾患のひとつとして定義された。
研究チームは、老若マウスを用いた研究でGDF5を活性化するCaVbete1Eたんぱく質を同定した。このメカニズムによって加齢マウスの筋量と筋力が維持されることにより、サルコペニアが予防できるかもしれないという。
今回研究チームは、ヒトでCaVbeta1Eたんぱく質を発見した。その発現が高齢者の筋量の低下に関連しており、このたんぱく質の発現低下は、筋量の低下と相関していたという。
今回の研究は、加齢に伴う筋肉の減少に対抗するための新たな治療戦略の開発につながるものと期待される。
出典は『サイエンストランスレーショナル医療』。 (論文要旨)
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