2019.12.19
, EurekAlert より:
飲酒量が1日2杯以下であっても、がんリスクと関連がみられるようだ、という東京大学と米国ハーバード大学による共同研究報告。
東京大学とハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院に所属する財津將嘉博士ら研究チームは、日本にある33の総合病院から、2005-2016年のデータを用いた。研究チームは、性別、年齢、入院日が一致した63,232人のがん患者と同人数のがんを発症していない対照者のデータを用いた。標準化されたアルコール単位の1日平均摂取量、飲酒時間を用いた。
標準化されたアルコール単位とは、23gのエタノールを含む飲料であり、日本酒では1合(180ml)、ビールでは500ml、ワインでは180ml、ウイスキーでは60mlに相当する。
解析の結果、全体のがんリスクは、アルコールを全く摂取しない群で最も低く、がんリスクとアルコール摂取量との間には、正の相関が認められた。この関連は、少量の飲酒量(1日1杯を10年、または1日2杯を5年)の者では、全体のがんのリスクが5%増加した。アルコールを摂取した期間に関係なく、1日2杯以下では、がんのリスクが高かった。
性別、飲酒・喫煙行動、職業階級別に分類し、解析したが同様の結果であった。アルコールと関連があった一般的ながんは、結腸直腸、胃、乳房、前立腺、食道がんであった。
「日本の主な死因はがんである。がん発症率を考慮すると、アルコールに関連するがんのリスクに関する教育を勧めるべきである」と財津博士は述べている。
出典は『がん』。 (論文要旨)
|