2019.12.16
, EurekAlert より:
朝食をほとんど摂らない高校生は、ほぼ毎日食べる高校生に比べて全国統一試験の成績が約2グレード低いことが明らかに。これは社会経済的地位、人種、年齢、性別、BMIなどの重要な要因を考慮した後の結果だという。英国リーズ大学の研究。
論文の著者であり、リーズ大学心理学部のアドルファス博士は、次のように話している。
「英国では、毎日50万人の子どもたちが空腹で学習できない状態で登校するという、食料貧困の問題が深刻になっています。以前から、朝食を食べることは子どもたちの認知にプラスの影響を与えることがわかっています。この研究は、栄養不良が学校成績の悪さと関連することを示唆しています」
英国には24,000ほどの州立学校があり、社会経済的に恵まれない地域などにある一部の学校では、公的資金、自己調達資金または企業からの資金提供によって朝食無償提供を行っている。しかしほとんどの州立学校では、自宅で朝食をとらない子供は置き去りとなっている形だ。
今回の調査結果を踏まえ、研究者らは、朝食無償提供プログラムを拡大して、英国のすべての州立学校を対象にしてほしいと訴えている。
この研究では、2011年にウェストヨークシャーの学校に通う生徒294人を対象に調査したところ、学校のある日に朝食をほとんど、または全く摂らない者は29%、時々摂る者が18%、ほぼ毎日食べる者が53%であることが明らかになった。この数値は、2019年の最新の全国データとほぼ一致していた。
英国では義務教育の最終学年(日本の高校1年生にあたる年齢)に中等教育総合資格試験(GCSE)を受ける。試験結果は9グレードで評価されるが、生徒の社会経済的地位、民族性、年齢、性別、BMIを含む他の重要な要因を考慮してみると、朝食をほとんど摂らない生徒は、ほぼ毎日摂る生徒よりも約2グレード低いことが明らかになった。
「この調査結果は、健康的な朝食を食べることで子供の学力が向上するという印象的な証拠を提供するものです。そして、授業での子供の集中、学習準備、行動、時間厳守の改善に関する私たち自身の発見を裏付けています」と、全国学校朝食プログラムのマネージャーであるドルトン氏はコメントしている。
出典は『公衆衛生の最前線』。 (論文要旨)
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