2019.12.9
, EurekAlert より:
早朝の、炭水化物がいっぱいの朝食は、糖尿病患者の血糖コントロールを改善するようだ、というイスラエル・テルアビブ大学からの研究報告。
「伝統的な糖尿病食は、1日を通じて6回の少量の食事を指定する。我々の研究では、でんぶんを多く含むカロリーを1日の早い時間にシフトさせることを提案している。この方法により、糖尿病患者な、インスリン注射や高糖尿病薬の服用を大幅に削減または中止することが可能になる」と主任研究者のダニエラ・ジャクボウィックス教授は語っている。
研究チームによれば、我々の代謝と体内時計は、朝の食事と夜間の絶食に最適化されているという。けれども、2型糖尿病患者に推奨される通常の食事では、1日を通じて少量ずつ均等に分配されるように構成されている。たとえば、1日3回の食事と3回のスナックというように。
このいわゆる「6Mダイエット」は血糖コントロールに効果的ではなく、糖尿病患者は追加の薬物療法とインスリンを必要とする。インスリンは体重増加につながり、血糖値をさらに上昇させることになる、と教授は言う。
研究チームは、29名の2型糖尿病患者を対象に、新しい「3Mダイエット」と従来の「6Mダイエット」を比較した。「3Mダイエット」には、早朝のパン、果物、スイートと充実した昼食、でんぷん質、スイーツ、果物を含まない特別な少量の夕食が含まれた。
伝統的な6Mダイエット群は体重を減らしたが血糖値は改善せず、服薬とインスリンが必要であった。けれども、3Mダイエット群は体重は減らなかったが実質的に血糖値を改善したという。
「彼らは服薬とインスリンを減らすことができた。中にはインスリンを中止した者もいた」とジャクボウィックス教授は語っている。「3Mダイエットは生物時計遺伝子の発現を改善した。これが示唆しているのは、3Mダイエットが糖尿病のコントロール効果的だというだけでなく、心血管疾患、がんのような他の合併症や加齢を予防するかもしれないということだ。」
生物時計遺伝子発現の上方制御が成功の裏にあるメカニズムであり、それがインスリン分泌を増やし筋肉への糖の送達を改善し、グルコース代謝の日内変動を正常化するのではないか、と研究チームはみている。
現在研究チームは、朝食中のたんぱく質の役割について検討中であるという。
出典は『糖尿病治療』。 (論文要旨)
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