2019.12.5
, EurekAlert より:
オプラ・ウィンフリーは、彼女のTVでの最初の仕事をクビになった。スティーブン・スピルバーグは、何度も映画学校から拒否された。マイケル・ジョーダンは、バスケの高校代表チームに入れなかった。
挫折から学んでより強くなった物語は数あれど、それをサポートする研究は意外に少ない。挫折が成功を導くというメカニズムについての研究はさらに少ないという。
米国ノースウェスタン大学とシカゴ大学のデータ科学者らは、3つの異なる分野(科学、起業、テロリズム)における挫折のダイナミクスを調べ、ヒトが挫折する方法を明らかにした。研究結果は、『ネイチャー』誌に発表された。
最初の挫折の後、道は分岐する。ある者は最終的に成功するが、別の者は脱落するまで挫折し続ける。どちらになるかは、早くも二番目の挑戦で明らかになるという。それを決める因子は、彼らが前回の挫折で学んだことをどう生かしたかにある、と研究者らは述べている。
「成功した挑戦に寄与したものしかみないのであれば、あなたは物語の半分を失うことになる」と責任著者のダッシュン・ワン准教授は語っている。「これについてはビッグデータが助けになる。その全てのケース、成功と挫折の両方、を分析することがバイアスを避ける助けになる。」
研究者らによれば、鍵となる洞察は、考慮さるべき過去の試行の回数閾値があることだという。彼がその閾値を超えて学習すれば続く試行は改善されてゆき、成功につながる。挫折した試行からの学習が少な過ぎると、永久に挫折し続けることになる。
研究者らによれば、閾値の前後のわずかな値の違いが大きな違いを生み出すのだという。「その違いは、0℃前後の水の状態変化に似ている。わずかな温度差が固体と液体という大きな状態の違いを生み出す。」
出典は『ネイチャー』。 (論文要旨)
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