2019.11.14
, EurekAlert より:
食物摂取量を減らして寿命の延ばすためには、若いうちから減らす必要があるようだ、という独マックスプランク研究所などからの動物実験の報告。
成人期の食事制限は寿命を大きく延ばし代謝的な健康状態を改善することが様々な動物で確認されているが、哺乳類の場合、それをいつから始めるかはかならずしも明らかではない。
研究チームは、800匹のマウスを用いて、食事制限の時期を検討した。24カ月齢の雌マウスを自由摂食から食事制限へ、またその逆を行った場合の効果を観察した。
驚くべきことに、食事制限から自由摂食への転換は寿命を短縮した。自由摂食から食事制限への転換は、生存率に弱い影響しか持たなかった。これは身体が、より早期の栄養を記憶していることを示唆している、と研究チームは言う。
肝臓、褐色及び白色脂肪細胞のRNA配列決定から、脂肪細胞(特に白色脂肪細胞)では自由摂食後の食事制限が大きな転写および代謝反応を起こすことが明らかになった。また加齢した死亡前駆細胞において炎症促進性の兆候がみられたが、これは慢性的な食事制限によって予防された。
これらの結果は、「栄養記憶」が食事制限による寿命延長と白色脂肪細胞の代謝的リモデリングの制限因子であるというエビデンスを供給するするものである、と研究チームは結論付けた。
出典は『ネイチャー代謝』。 (論文要旨)
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