2019.10.28
, EurekAlert より:
トマトに豊富に含まれるリコペンの吸収効率を改善した誘導体ラクトリコペンのサプリメントは、精子の質を改善するかもしれない、という英国シェフィールド大学からの研究報告。
リコペンは野菜や果物に含まれるカロテノイド色素の一種で、トマトの赤い色の本体である。リコペンはヒトの身体には殆ど吸収されないため、研究チームはフューチャーユー・ケンブリッジがバイオアベイラビリティを改善した誘導体ラクトリコペンを用いて臨床試験を実施した。
19-30歳の健康な男性60名を対象に、ランダムに2群に分け、一群にはラクトリコペンのサプリメント、別の一群にはプラセボ(偽薬)を毎日12週間にわたって摂取してもらった。
「我々は実際のところ何かが変わるとは思っていなかった。結果を解析した時、私はほとんど椅子から転げ落ちそうになった」と主任研究者のアラン・パーシー教授は語っている。「サイズと形という形態学的な精子の改善は、劇的だった。我々は測定にコンピュータシステムを使っている。それは多くのヒューマンエラーを除いてくれる。それに、コンピュータを使っている人間は、データのだれがラクトリコペンを摂取したかを知らない。」
「リコペンの作用機序は分かっていないが、それは既知の強力な抗酸化物質なので、精子の酸化損傷を抑制するのだろう」と研究チームは考察している。
出典は『欧州栄養学雑誌』。 (論文要旨)
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