2019.10.10
, EurekAlert より:
先史時代に動物のミルクを乳児が飲むために使った、現代の哺乳瓶に相当する器具を発見した、という英国ブリストル大学からの研究報告。
乳児が使うことが可能な土器は、新石器時代(およそ紀元前5000年)の欧州で最初に現れ、その後青銅器および鉄器時代を通じて一般的になっていったと考えられている。
この容器は乳児の手に合うように小さくて、液体を吸うための吸い口が付いている。時に、それらは台座付きであったり想像上の動物を模ったりしてある。だが、その使用目的については決定的な証拠が欠けているため、病人や障害のある人のためにも使われたのだろうと考えられてきた。
研究チームはこの土器が本当に哺乳瓶として使われたのかを検証するために、独バイエルン州の極めて稀な子供の墓から3つのサンプルを選択した。それらは直径5-10cmと小さく、極めて細い吸い口が付いていた。
化学分析と同位体分析の組み合わせによって、容器の内側に残存する食品を同定した結果、それは家畜化されたウシ、ヒツジ、ヤギなど反芻動物のミルクであることが示された。
出典は『ネイチャー』。 (論文要旨)
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