2019.9.25
, EurekAlert より:
大規模研究でドイツの研究グループが、身体的フィットネスは、若い成人者のより良い脳構造と脳機能と関連していることを示した。これは、フィットネスレベルの上昇が認知機能を改善に導くという可能性を開くものである。
科学者らは、これまでも「運動は脳に良い」ことを示してきたが、大部分の研究は体重や血糖値、学歴、年齢その他様々な歪みをもたらす因子を充分に調整できていなかったという。加えてそれらの研究はフィットネスを脳の構造と精神機能の両方に関連付けることは稀であった。
今回研究チームは、公に利用できるヒトコネクトームプロジェクトからの1,206件のMRI脳スキャンを利用した。対象者の平均年齢は30歳で、いくつかの追加の検査を受けていた。最初の検査は、2分間歩行検査で、可能な限り速く歩きその距離を計測するもの。またいくつかの認知機能検査も受けて、記憶力、鋭敏性、判断力、推理力などを測定していた。
チームリーダーでミュウンスター大学病院のヨナタン・レップレ博士は次のように語っている。「この研究の大きな利点は、データベースのサイズである。通常MRIの研究を行うとき、検体数は30もあれば良い方だ。だが、この大規模MRIデータベースのおかげで、可能な交絡因子を排除することができ、分析の信頼性をかなり高めることができた。」
研究は2つの主要なポイントを示すことができたという。2分間歩行のパフォーマンスが良好な若い健康な成人は、より良い認知機能パフォーマンスと、そして脳の白質の構造的インテグリティと関連していた。
出典は『サイエンティフィックレポート』。 (論文要旨)
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