2019.9.4
, EurekAlert より:
待合室に大きなモニターがあったとして、来院者に最新のローカルな医学研究について語るのは良いアイデアであるようだ。スウェーデン・ヨーテボリ大学からの研究報告。
本臨床試験の目的は、大衆の健康関連研究に対する興味を評価し、近隣における最新の医学研究についてどれくらい積極的に情報を求めるかを理解し、大型のTVスクリーンにそのようなニュースが流れた時にこの興味にどの程度かなうかを測定することであったという。
研究チームは、豪州ノースクイーンズランドの2つの病院の救急外来で待合室に大型のTVモニターを設置した。スクリーンのスイッチがオンのとき、地域の最近の研究の短い記述がディスプレイに表示されるようにした。文章はモニターを横切って流れ、さらに情報を知りたい人のためにQRコードが表示された。別の場合には、スクリーンはランダムにスイッチがオフになり情報は表示されなかった。
質問紙による調査が、患者と付添人に対して実施された。回答者は2,167名の成人だった。彼ら全員が少なくとも10分間待合室で座っていた。7割の人が質問に回答した。
回答者の86%が、地域の最新の医学研究を「いくらか」または「たいへん」興味深いと回答した。全般的な傾向として年齢が高いほど、また女性の回答者のほうが男性より興味をもつ傾向がみられた。
さらに、待合室でスクリーン上のニュースを観た群は、スクリーンが消えていた対照群に比べて、30%高い興味を示した。両群は同じサイズ(750名ずつ)で、分析にあたって性、年齢、社会経済状態を調整した。
「単純に言って、興味は30%ほど高まるようだ。疑いもなく統計的に有意である」と筆頭研究者のロニー・グナロソン非常勤教授は述べている。
出典は『BMJオープン』。 (論文要旨)
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