2019.8.16
, EurekAlert より:
バングラデシュで実施された最初の臨床試験で、栄養不良の子供らの腸内細菌叢を修復するために特別に設計された新しいタイプの治療食が標準治療よりもすぐれていることが示唆された。米国セントルイス・ワシントン大学の研究。
研究チームは、バングラデシュにおいて穏やかな急性栄養不良(病気だが死期が迫っているわけではない状態)と診断された12-18ヵ月齢の63名の乳幼児を対象に臨床試験を実施した。
参加者はランダムに4つの治療のいずれかに割り当てられた。3群は、新たに開発された3つの治療食の1つに、残りの1群は腸内細菌に効果を持つようにデザインされていない標準的な治療食とした。
この比較的短い1か月の試験においても、1つの治療食が際立っていることが明らかになったという。骨成長、脳の発達、免疫機能、各種臓器における代謝に関連する1,300種の血液たんぱく質を測定した結果、この治療食プロトタイプは、他の3群に比べて明白に健康な方向へと子供たちをシフトさせた。
研究の終わりに、研究チームは、この治療食群が、他の3群とは異なり、腸内細菌叢を同年齢の健康な子供たちに見られるような状態に再構成したことを発見したという。この治療食には、ヒヨコ豆、大豆、バナナ、ピーナツなどが含まれていた。
「完全母乳哺育から離乳食への移行期に補完的になにがベストの食品であるかということには不確実な部分が存在する」と主任研究者のジェフリー・ゴードン教授は語っている。「我々の研究は、これら一般的に文化的に受け入れられる補完食品が、栄養不良児の正常な腸内細菌叢の発達に鍵となる腸内細菌に必要とされる成分を含んでいるのではないか、ということに気付いたところから始まった。これらの腸内細菌が我々の治療標的だった。」
出典は『サイエンス』。 (論文要旨)
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