2019.7.31
, EurekAlert より:
西暦2100年までに世界人口は110億人にまで増加し、食糧問題が今以上に重要な課題になることが予想される。
けれども、『ネイチャー持続可能性』誌に発表された新研究は、人口増加と食糧需給問題は、同時に感染症の蔓延をもたらす可能性があると指摘する。
最も人口増加が急激なのは発展途上国であり、そこではすでに感染症対策が重要な問題になっている。いくつかの推定によれば、熱帯地域の発展途上国では死亡の75%が感染症によるものである。米国では毎年推定4800万人が食物感染症、食中毒に罹患するが、これは発展途上国からの輸入食物が大きく関係している。
人口増加によって、農村経済の変化、農薬の使用、自然資源の開発などが、感染症の爆発的流行につながりかねないという。
「ヒトが家畜やジビエ(野生動物の肉)と接触する機会が増えることで新興感染症によるパンデミックが起こる可能性が高まることは、すでに多くの実例が証明している」と主任研究者のジェイソン・ローア教授は述べている。
研究チームは、家畜の成長を促進するための抗生物質の過剰使用に対抗する衛生状態の改善など、さまざまな課題に対するいくつかの潜在的な解決策を提案する。また、感染症の流行を減らせるように、農家が自分たちの作物や動物に遺伝的多様性を加えていくことを提案している。
出典は『ネイチャー持続可能性』。 (論文要旨)
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