2019.7.17
, EurekAlert より:
スクラロースやアセスルファム-K(カリウム)への子宮内あるいは母乳を介しての曝露は、仔マウスの腸内細菌叢と肝臓の毒物代謝機能に影響するようだ、という米国・国立糖尿病消化器腎臓疾患研究所(NIDDK)などからの研究報告。
妊娠中および授乳中の母マウスがスクラロースやアセスルファム-Kを摂取すると仔マウスの代謝に有害な変化が起こり、また腸内細菌叢の組成が変化することを発見した世界初の研究であるという。
研究チームは、母マウスにスクラロースとアセスルファム-Kの混合液の1日摂取許容量(ADI)または、ADIの2倍量、または水を与えて、仔マウスに対する影響を観察した。
226匹の仔マウスの血液、糞便、尿検体を解析した結果、人工甘味料が胎盤を通じて母親から子に移行することを確認した。これはすでに知られていたことである。しかし、研究チームは、それによって、有意な代謝変化が現れたことを発見したという。特に、肝臓の血中から毒性物質を除去する機能に障害が現れた。またアッカーマンシア・ムシニフィラという有益な腸内細菌が激減し、腸内細菌の代謝産物も劇的に変化したという。
「この結果は、ゼロカロリー甘味料のまた別の健康影響に焦点を当てたものだ」と筆頭著者のステファニー・オリヴィエ=ヴァン・スティシェレン博士は語っている。
出典は『微生物学の最前線』。 (論文要旨)
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