2019.7.11
, EurekAlert より:
「情報」は金銭や食物と同じように脳のドパミン生産性報酬システムを活性化するようだ、という米国カリフォルニア大学からの研究報告。
「脳にとって、情報は、その有用性如何に関わらず、それ自身が報酬であるようだ」と主任研究者のミン・スー准教授は述べている。「我々の脳がジャンクフードのエンプティカロリーを好きなのと同様に、我々に情報は良いものだと過剰に評価させるようだ。知りたがりとか好奇心と呼ばれるものだろうか。」
研究チームは、人の情報探索行動は、道具的動機付けと非道具的動機付けの両方によって形作られる主観的価値によって左右されるが、この主観的情報価値は、より基本的な報酬価値をもつ共通の神経コードを共有することを示した。
特に、賞金付宝くじの結果の不確実性を減らすために情報を購入することができる事例を用いて、研究チームは、情報購入決定が、道具的効用に加えて、期待の効用(情報探索の非道具的動機付けの一形態)を組み込んだ主観的情報価値のコンピュータモデルによって捕捉できることを発見したという。
fMRIスキャンの分析から、ゲームのオッズに関する情報が、評価に関与することが特に知られている脳の領域(線条体および腹内側前頭前野またはVMPFC)を活性化することがわかったという。この領域におけるカテゴリ横断的な脱コード化によって、主観的情報価値と期待の効用はひとつの一般的なコードをもちいて実現されていることがわかったという。
絵画、ステーキ、休暇などのまったく異なるものを金銭的価値に変換できるのと同じように、脳は情報に関する好奇心を金銭その他の具体的な報酬に使用するのと同じ一般的なコードに変換するようだ。
「我々は脳を調べて、誰かが情報の断片をどれくらい欲しがっているかを語ることができる。そしてをそれを脳の活性として金銭的な量に変換することができる」と研究者は述べている。
出典は『国立科学アカデミー論文集』。 (論文要旨)
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