2019.7.11
, EurekAlert より:
定年退職後に、特に女性は退職前に比べて座位時間が長くなる傾向があるようだ、というフィンランド・トゥルク大学からの研究報告。男性は元々女性より長いので、やはり注意が必要だという。
定年退職に伴って時間の使い方や身体活動のあり方にも変化が起きる。質問紙を使って座位時間を評価するのは難しいことから、研究チームは、腕時計型の身体活動量計を用いて加齢に伴う座位時間の変化を調べた。
博士候補生のクリスティン・スオルサら研究チームは、フィンランド退職加齢研究から地方自治体の職員478名(平均年齢63.2歳、85%が女性)を対象に、腕時計型身体活動量計(3軸アクチグラフ加速度計)を、定年退職前後に1年の間隔をおいて、それぞれ最低でも4日間装着してもらった。身体活動量計は加速度を測定するタイプであり、毎日の総座位時間を時間ごとに正確に測定できるものだった。
解析の結果、女性が定年退職に伴って毎日の座位時間が平均29分増加することを発見したという。最も顕著だったのは、サービス部門と肉体労働に従事していた女性で平均63分の増加がみられた。
男性にはそのような変化はみられなかった(平均7分間の減少)が、男性の座位時間はもともと女性よりも長かった。退職前で2時間近く、退職後でも1時間長かったのである。座って過ごすことがもっとも多かったのは男女共に夕方であった。
「我々の研究に基づけば、退職した人は座位時間を減らす代わりに、例えば、軽い運動などをするべきである。特に退職後の男性は運動量を増やすことにもっと留意すべきである。というのも我々の研究では、男性はほとんど10時間も毎日座って過ごしているからだ」とスオルサはコメントしている。
出典は『老年医学雑誌シリーズA』。 (論文要旨)
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