2019.7.8
, EurekAlert より:
加糖飲料の摂取は、世界的な肥満流行の鍵となる因子と考えられているだけでなく、虫歯、糖尿病、心疾患とも関連している。WHOを含めて多くの公衆衛生機関が、健康的な飲料選択を促進するように関係各機関に働き掛けている。
今回、新しいコクランレビューが、集団レベルでの加糖飲料の摂取を低減させる種々の方法を検証した研究についての最新のエビデンスを要約している。
研究チームは、様々なアプローチと戦略によって人々の加糖飲料の摂取・購入を減らそうとする58件の報告をみつけた。これらの報告は、学校、カフェ、レストラン、家庭、小売店など様々なセッティングで実施されていた。摂取量を減らすためのアプローチは、ラベル、価格、健康的な代替品など広範囲にわたっていた。コミュニティにおける健康的な選択を促進するキャンペーンといったものもあった。実施国は、南北アメリカ、豪州、欧州、東南アジアなど19カ国にまたがっていた。
中でも研究チームが有効なエビデンスがあるとみなしたのは以下のような方法であった。
●理解が容易なラベル(信号機ラベルや、星の数でその飲料の健康度を示したもの) ●学校での加糖飲料の購入を制限する ●レストラン、小売店、レジャーセンターでの加糖飲料の価格を高くする ●レストランチェーンの子供メニューに、標準飲料として加糖飲料の代わりにより健康的な飲料を載せる ●スーパーでより健康的な飲料の販売促進を行い目立つ位置に置く ●フードスタンプなどの行政の食糧供給において加糖飲料が購入できないようにする ●健康的な飲料選択についてのコミュニティキャンペーン ●家庭へのミネラルウォーター、ダイエット飲料の配達などによって家庭での低カロリー飲料の利用性を改善する
研究チームはまた、家庭での水やダイエット飲料の利用性の上昇は人々が体重を減らす助けになることも発見した。他にも様々な方法が存在したが、利用できるエビデンスの信頼性は低かったという。
過去の研究では、健康教育と砂糖税も摂取量の低減に役立つことが示されているが、これらのアプローチは今回のレビューの対象範囲ではなかった。砂糖税は、これから発表される2つのコクランレビューで検証される予定である。
出典は『コクラン・ライブラリー』。 (論文要旨)
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