2019.6.14
, EurekAlert より:
小学校高学年になっても昼寝をする子は、幸福感が高く、自制心と勇気があるほか、IQが高く学業成績も良いことが明らかになった。米国ペンシルバニア大学の研究。
睡眠不足と昼間の眠気は驚くほど広範囲にわたり、眠気は全子供の最大20%に影響を及ぼしている、と研究の筆頭著者リュー准教授は述べている。さらに、低質な睡眠習慣による認知的、感情的、および身体的な悪影響は十分に明らかにされているが、ほとんどの先行研究では未就学児に焦点が当てられている。
米国などでは子どもの年齢が上がるにつれて昼寝の習慣がなくなるが、中国では、昼寝は日常生活に組み込まれており、小中学校からさらに成人期まで続くという。そこでリュー氏らの研究チームは、2004年から約3000人の乳幼児を対象に、青年期まで追跡した「チャイナ・ジンタン・コホート研究」のデータを解析した。
解析にあたっては、子どもたちの小学校4-6年生時の昼寝の頻度や長さ、6年生時の心理的状況(勇気、幸福感)、身体的状況(BMI、血糖値)のデータを取った。学業成績については学校に照会した。そして、性別、学校の所在地、保護者の学歴、夜の就寝時間などによってデータの調整を行った。
その結果、昼寝をする子は幸福感が高く、自制心と勇気があり問題行動が少ないほか、IQが高く学業成績も良いことが明らかになった。また、より高いIQを持っており、特に6年生ではその傾向が大きかったという。なお、最も顕著な結果は学業成績に出ており、1週間に3回以上(1回あたり30-60分)昼寝をした子供たちは、6年生の成績が7.6%上回っていたのだという。
出典は『睡眠』。 (論文要旨)
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